04樹々匠の家づくり窓
住まい手の心身に直結する窓の役割
窓にはさまざまな役割があります。
- 明るさをもたらす
- 景色を切り取る
- 外と内とのつながり
- 太陽の恵みを取り入れる
- 風を通す
- 外観デザインのアクセント
このようにひとことに窓といっても、性能、意匠、情緒と多岐にわたり影響を及ぼします。快適な室内環境を実現するためにも、能動的に暮らしを愉しむためにも「窓」はとても重要な要素なのです。
だからこそ、樹々匠は「窓」の設計を追及しています。
窓の性能
住宅設計において重要な役割を果たす窓ですが、一方で建物の快適性を実現する上で、実は最も弱点になりやすい部分でもあります。
住宅内部の熱の半分は窓を通して逃げていきますから、いくら性能のよい断熱材を精密に施工しても、窓がそれに見合わなければ意味がありません。
そして、窓の選択は建物の断熱レベルによっても変わります。性能が低い家に、高性能な樹脂サッシや木製サッシを採用しても、宝の持ちぐされになってしまいます。建物の性能に見合った窓を選定することが求められます。
窓枠の性能
窓には断熱性能の低いアルミサッシから、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシと大きく4種類ありますが、その熱伝導率はかなり大きな差となります。
アルミ | 200 W/m・k |
---|---|
樹脂 | 0.17 W/m・k |
木材 | 0.12 W/m・k |
ガラスの性能
また、ガラス性能も、窓によって大きく異なります。ガラス一枚だけを単層で使用したシングルガラスは今はほとんど使われていません。
2枚のガラスを使用したペアガラス、3枚使用したトリプルガラスというように、間に空気層を作ることで熱の伝わり方を遅くしたものが現代の主流です。
その空気層にも、アルゴンガスやクリプトンガス、あるいは真空にするなどして熱伝導率を下げる工夫もありますし、ガラス表面に金属被膜をコーティングして熱の伝達をコントロールする「Low-Eガラス」も存在します。
加えて、ガラスには、冬場の断熱性能を重視した「日射取得型」と、夏場の遮熱性を重視した「日射遮蔽型」という2種類があり、窓の設置場所や建築地の気候風土などによって使い分けたりもします。
設計者は、自身が目指す住宅性能に合わせて、これらの要素の中から最適なものを選択していく必要があるのです。
窓のUw値
家全体の断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」で表しましたが、各部の断熱性能は「U値」で表現されます。窓においては「Uw値」と、後ろにw(window)がつきます。
窓の性能「Uw値」は、さらに細かくいうと窓枠(フレーム)の性能値「Uf値」と、窓ガラスの性能値「Ug値」を基に計算されます。
樹々匠が選ぶ窓
樹々匠が目指しているのは「圧倒的な断熱性能」。フレームやガラスにもこだわり、採用するのは「樹脂サッシ」もしくは「高性能な木製サッシ」のみとしています。
窓仕様 | Uw値 |
---|---|
木製サッシ「佐藤の窓」 | 0.67 w/m²k |
木製サッシ「ノルド」 | 0.92 w/m²k |
樹脂サッシ「APW430」 | 1.05 w/m²k |
ガラスはトリプルガラス以上の製品のみを採用していて、南面には日射取得型のガラスを選定することが多く、他の方角は日射遮蔽型を選択しています。
以下の動画は、APW430を採用したお住まいのルームツアー。窓まわりのことについて触れているので、よろしければ見てみてください。
樹々匠が選ぶ玄関
窓と同類に扱われるのが玄関ドア。玄関ドアは家の顔ともなります。樹々匠では、玄関ドアも木製のみを採用しています。
ドア仕様 | U値 |
---|---|
木製玄関ドア「ノルド」 | 0.84 w/m²k |
木製玄関ドア「ユダ木工」 | 0.82 w/m²k |
木製玄関引戸「ユダ木工」 | 1.10 w/m²k |
一般的に多く採用される玄関ドアは、木目調シートが貼られたアルミ断熱ドア。しかしその質感はやはりイミテーションでしかありません。窓よりも触れる機会の多い玄関ドアだからこそ、本物を感じていただきたいと思っています。
窓の意匠
性能と同じくらい重要なのが、窓のデザイン。
「家の美しさは窓に宿る」
こう語るのは建築家の伊礼智氏。この言葉を直接いただいた経験から、窓の美しさを意識し続けてきました。
お気に入りの居場所で四季のうつろいを眺めたり、樹木の成長を愉しんだり。そんな情緒は必ず窓の先に存在します。窓まわりが美しくなかったら、せっかくの景色やお庭の緑の見和え方も、価値も、半減してしまいます。だからこそ窓まわりの美しさが求められるのです。
樹々匠は「美しき窓」を追求します。
窓のディテール
私たちがこだわるのが「窓のディテール」。景色をきれいに切り取るために、障子は全開放できるように引き込みにしたり、ハニカムスクリーンを見せないようにします。壁や天井と窓の取り合いをスッキリさせたりしています。
「線を減らしノイズを排除する」
ひとつひとつの窓のデザインに配慮していくことで、家全体の雰囲気がかわっていきます。
ただし、これらを考えるのは我々つくり手であって、住まう方がディテールを考えたり気にする必要はありません。純粋にその家を良いなと感じるか、美しいと感じるか。それがすべてです。
窓の設け方
窓は、大きければ良いわけでも、小さければ良いわけでもありません。
数が多ければ良いわけでも、少なければ良いわけでもありません。
付けるのが正解というばかりではなく「つけない」という選択肢も。
窓があるがゆえに、隣家からの視線が気になってしまっては、お互いに落ち着いて暮らすこともできません。収納部屋では窓の前に物を置いたら外から物の存在が見えてしまいます。樹々匠では南面に大開口にすることが多いのですが、夏の日差しへの配慮も必要になります。
このように窓の設け方は、住まう方の暮らし方を第一に、太陽の動き、周辺の環境、近隣の建ち方、隣家の窓位置によって大きく変わります。住まい手の暮らしや視線の動き方を考えながら、どの場所に、どの方位に、この窓をつけるべきという「必然」を読み解き、最適解を見出していきます。
樹々匠の窓の設計体感がすべてを語る
窓の設け方、サイズ、ディティールの美しさは言葉だけでは言い表せれるものではありません。
特に美しさにおいては感じ方は千差万別です。
ぜひ実物をご覧になってどう感じるかを体感にいらしてください
写真ではこの心地良さは伝わらない。
体感はモデルハウス、体感見学会へぜひお越しください。
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