施主のT様は、家を建てるにあたり「どんな暮らしがしたいか」「ご家族の在り方」「親族とどう仲良く暮らしていくか」などを深く悩みながら進めてこられました。最終的に決断された樹々匠の家での生活が、幸せのいとぐちであって欲しい、ご家族との繋がりを感じる住まい、暮らしの中で情緒深さを味わってほしいという願いが込められた住まいが「緒（いとぐち）」です。

北と東が道路に面した「緒」は、切妻の大屋根が軒を深く取り、高さを抑えたフォルム。家を取り囲むように緑を配置し、室内からの中庭の景色だけでなく、住宅街に対して緑のお裾分けも意識しています。

勾配天井は曲線を主体としていて明るくやわらかな印象。大きな木製サッシが切り取る中庭の風景は、一段下がりのリビングにある備え付けのソファをはじめ家中の至る所から眺めることができます。深い軒下にあるウッドデッキは景色を楽しむ特等席。家事動線を邪魔しないように配された収納やカウンターなど細かなこだわりも実現しています。