太陽の恵みを 取込む・遮る・敷地を読む

自然の大きな恵みともいえる太陽。太陽の高度や、時間別の方位は、季節によって驚くほど異なります。静岡県西部地方は日射量が非常に多い場所です。その恵みを最大限生かす冬の日射取得と、夏の日射遮蔽をしっかりと考慮しなければなりません。建物にはその敷地、その場所にあった設計があります。

例を挙げて考えてみましょう。
少し東に傾いている土地があったとします。全く同じ建物を、真南に向けて建てた場合と、敷地と平行に建てた場合で、比較してみます。

太陽の時間別方位について

	建物を真南に向けた場合	建物を敷地と平行に建てた場合
冬 太陽の日射を取り入れたい	朝から晩まで太陽を取得出来る →充分な暖かさをもたらす	太陽の取得時間が短くなる →暖かさが不足する
夏 なるべく直射日光を遮りたい	南から直射日光が当たる時間を短く出来る →涼しさを維持できる	南から直射日光が当たる時間が長くなる →室内が暑くなりやすい
敷地と建物の関係	・南の庭を広く取れる ・敷地に適度な三角地が出来るので、植栽を有効に配置したり、外部収納が置ける	・この建物形状だと南の庭が狭くなる ・北側のスペースが余り過ぎる

太陽角度について

太陽は方位だけでなく、季節ごとに高度も異なります。浜松では、夏の太陽高度が約78°と非常に高く、逆に冬は約32°と低くなります。

それらを考慮して建物を設計する上で重要になのが“庇”です。庇がなければ夏の直射日光の影響をもろに受け、室内が暑くなります。

庇の無い建物を見るととても残念に感じます。適切な庇の出で日射取得と日射遮蔽で日差しをコントロールします。

このように同じ敷地に同じ建物を建てたとしても、建て方によって大きな違いが出来ます。その敷地、その場所の太陽を読み取り、建物を向ける方向、形状を考慮して、庇の出を考え、窓位置を考え、窓の大きさを考えていきます。

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